甲府市には武田信玄公ゆかりの「信玄の隠し湯」と呼ばれる伝説の温泉が伝わっています。その歴史は古く、戦国時代に信玄公が治療に訪れたとされる湯村温泉などが知られています。この記事では、甲府の「信玄の隠し湯」の由来と実際の場所、温泉の泉質や効能、日帰り温泉スポットや周辺観光情報を最新の情報を交えて詳しく解説します。
甲府の信玄の隠し湯とは?伝説と歴史を探る
「信玄の隠し湯」とは、戦国大名・武田信玄公が領国内で傷ついた兵の湯治に利用したと伝えられる温泉の総称です。当時は「隠し湯」という呼び名はなく、明治時代以降に信玄公ゆかりの温泉として紹介されるようになりました。甲府市内では、武田信玄公が傷を癒やしたと伝えられる湯村温泉(通称「信玄の湯」)が特にこの伝説と結びつけられています。
信玄の隠し湯の意味と由来
「隠し湯」は本来、領主や家臣がこっそり使う温泉という意味で、領地内の公衆浴場ではなく主に療養用に用いられました。武田信玄公の時代にも多数の温泉が湯治場として活用されましたが、当時は特別な名称はありませんでした。後に信玄公ゆかりの温泉が紹介されるなかで「隠し湯」という呼び名が定着し、江戸時代後期以降に広まったとされています。
武田信玄と甲府温泉の関わり
武田信玄公は戦国大名として家臣の健康管理に力を注ぎ、負傷した兵の療養に温泉を重用しました。甲府においても信玄公自身が湯村温泉(当時は「志摩の湯」)を湯治に利用した記録が伝わります。たとえば1548年の合戦で傷を負った信玄公は帰陣後すぐに湯村温泉で療養し、10日ほどで回復したとされています。実際、同所で勝頼公も療養しており、湯村温泉が信玄公父子の湯治場だったことが知られています。このような背景から、湯村温泉は「信玄の湯」と呼ばれるようになりました。
湯村温泉の発祥と伝承
湯村温泉の歴史は古く、約1200年前に弘法大師(空海)が開湯した伝説があります。当時、弘法大師が甲府の塩澤寺に滞在中、杖で地面を掘ると温泉が湧き出たとされ、その名残で「杖(つえ)の湯」と呼ばれました。江戸時代には当時この温泉を通った馬まで癒されたという逸話から「馬の湯」とも呼ばれていました。明治12年に「湯村温泉」と改称され、今日に至る風情ある温泉街へと発展してきました。
文人に愛された甲府の名湯
湯村温泉は文人にもゆかりの深い名湯です。太宰治や井伏鱒二、松本清張など多くの作家がこの地に逗留し、執筆活動を行ったことで知られています。当時の趣をしのばせる老舗旅館が今も残り、温泉街は情緒ある風情が漂っています。こうした歴史背景も、隠し湯伝説を彩る一要素となっています。
信玄の隠し湯の場所とアクセス

信玄の隠し湯とされる温泉は、甲府盆地の北西部にある湯村地区に位置します。この温泉街は甲府市街地から車で10分ほどの距離で、周辺には当時の名残を残す宿泊施設が集まっています。公共交通機関や車でのアクセスも良好で、甲府市内中心や首都圏から日帰りで訪れやすい立地です。
湯村温泉の所在地
所在地:山梨県甲府市湯村
最寄駅:JR中央線・甲府駅。甲府駅から北西へ車で約10分(バス約15分)です。
公共交通機関でのアクセス
- JR甲府駅から路線バス(約15分)やタクシー(約10分)で湯村温泉にアクセスできます。
- 新宿駅からは中央道経由の高速バスが甲府駅前まで約2時間で運行しており、甲府駅から湯村温泉行きバスへの接続便も利用できます。
車でのアクセス・駐車情報
- 東京方面からは中央自動車道で甲府昭和ICまで約1時間30分。ICから湯村温泉までは国道20号経由で約15分です。
- 松本方面からも中央道経由で約1時間30分、甲府昭和ICから現地までは同様に15分ほどです。
- 清水方面や山梨市方面からは国道52号線や一般道でアクセス可能です。
- 各温泉旅館や日帰り施設には駐車場が用意されており、車で訪れても駐車には困りません。
信玄の隠し湯の泉質と効能

湯村温泉(甲府温泉)は源泉温度およそ40℃前後で、各施設には源泉掛け流しの浴槽が多く見られます。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉で、弱アルカリ性(pH約8.5)です。微量の硫黄成分が含まれ、湯には温泉特有のわずかな硫化水素臭と塩味を感じられます。
温泉の泉質:湯の成分
湯村温泉の泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉です。湯は肌に優しく保湿力が高いため「美肌の湯」とも呼ばれ、掛け流しの湯が新鮮そのまま楽しめます。源泉温度は40℃以上で湧出し、加水・加温なしで使用される施設が多いのも特徴です。
効能:健康・美容効果
含硫黄・塩化物泉は血行促進や保湿効果があり、湯冷めしにくいため肌の調子を整えやすいです。温泉成分の塩化物が体を芯から温め、神経痛・筋肉痛・関節痛・打撲・疲労回復などに効くとされています。湯村温泉のやわらかい湯にゆっくり浸かることで、日常の疲れやストレス解消にもつながります。
入浴時の注意点
長湯は体への負担になるため、入浴時間はほどほどにしましょう。高齢者や小さなお子様、持病のある方は特に無理をせず休憩を取りながら入浴してください。妊娠中や心臓病・活動性結核などのある方は入浴前に医師に相談することをおすすめします。入浴後は水分補給をしっかり行い、脱水にならないよう注意しましょう。
甲府周辺の立ち寄り湯と宿泊施設
甲府市内には湯村温泉以外にも手軽に入浴できる日帰り温泉施設が充実しています。甲府駅周辺から車やバスで行ける施設には、美肌湯で評判の源泉掛け流し浴場「源泉湯 燈屋」、温泉とフィットネスが融合した大型施設「サンロード」、家族連れに人気の日帰り温浴「トータス温泉」、地下1000mから湧く良質な自噴泉を利用した「山城温泉」などがあります。これらの浴場は露天風呂やサウナを備え、リーズナブルな料金で利用できます。
おすすめ日帰り温泉施設
- 源泉湯 燈屋:甲府市上阿原町にある天然温泉施設。保湿力の高い“美肌の湯”として評判で、大浴場と露天風呂があります。
- Healthy SPA サンロード:甲府市大里町の健康プラザで、フィットネスジムやサウナ付きの温泉施設です。運動と温泉で健康づくりができます。
- トータス温泉:甲府市中小河原町の日帰り温泉。露天風呂があり、家族用の個室風呂も完備した人気施設です。
- 山城温泉:甲府市下鍛冶屋町の銭湯・温泉施設。源泉掛け流しの湯を使い、夜間まで営業しているシンプルな温泉です。
温泉旅館・ホテルでの宿泊
湯村温泉地区には温泉旅館やホテルが複数あり、日帰り入浴にも対応しています。代表的なのは「甲府記念日ホテル」(旧湯村ホテル)で、大浴場から甲府市街の眺望を楽しめるほか露天風呂付き客室もあります。その他、伝統的な老舗旅館や新しいホテルが点在し、部屋に温泉が引かれた宿もあるので、シーンに合わせて選ぶことができます。
周辺観光スポットと楽しみ方

湯村温泉周辺は歴史と自然に恵まれた観光エリアです。甲斐の守護神・武田信玄公を祀る武田神社(旧躑躅ヶ崎館跡)は温泉街から車で約10分の場所にあり、境内には当時の城跡の石垣や堀が残されています。宝物殿には信玄公の鎧や刀、信玄由来の宝物などが展示されています。また甲府駅前の武田信玄像や甲府城(舞鶴城)跡も見学スポットです。自然も見どころで、甲府盆地の北縁にある昇仙峡は花崗岩の奇岩や仙娥滝などが連なる渓谷美が有名で、新緑や紅葉の名所として人気です。ロープウェイで山頂へ上れば富士山や南アルプスの眺望も楽しめます。
武田信玄ゆかりの史跡巡り
信玄公にまつわる史跡としては、甲府市中心部の武田神社(武田家居館跡)が有名です。1919年に建てられた武田神社には、居館の石垣や土塁が史跡として残されており、宝物殿には重要文化財の刀「吉岡一文字」など武田家ゆかりの品が展示されています。甲府駅前の武田信玄像も人気の撮影スポットです。ほかにも舞鶴城公園(甲府城跡)や、武田家発祥の地を示す史跡など、信玄公ゆかりの場所を巡ることができます。
昇仙峡など自然景観
甲府盆地を囲む山々も見どころ豊富です。昇仙峡は秩父多摩甲斐国立公園の景勝地で、大小の滝や特徴的な岩峰(覚円峰、石門など)が続く峡谷です。遊歩道が整備されておりハイキングで新緑・紅葉が楽しめます。秋の紅葉シーズンは特に美しく、展望台やロープウェイで甲府盆地や富士山を望む絶景も体験できます。
甲府名物グルメ
旅の締めくくりには山梨グルメがおすすめです。甲府の郷土料理といえば、かぼちゃや野菜を味噌で煮込んだ「ほうとう」と、鶏の内臓を甘辛い味噌ダレで煮た「鶏もつ煮」が代表格です。武田信玄公由来の「甲斐の鴨鍋」や、山梨産のワインを使った料理も名物です。湯上がりには、こんにゃくや大根に味噌を塗った甲府風おでんで体を温めるのも旅情を誘います。
まとめ
甲府に伝わる「信玄の隠し湯」は、武田信玄公の物語と歴史が息づく温泉郷です。湯村温泉には悠久の伝説と湯量豊富な良泉が残り、現在も風情ある温泉街として親しまれています。甲府市内には日帰り温泉施設や宿泊施設が充実しており、歴史散策や四季折々の自然、地元グルメとあわせて気軽に立ち寄ることができます。信玄公の逸話に思いを馳せながら、甲府の隠れ里である湯村温泉を訪れてみてはいかがでしょうか。
コメント